との

標準
現代仮名遣い:との / 読み:トノ
名詞
有職故実 呼称 頻出

御殿/貴人・主君を敬っていう語

📖 意味

  1. 1
    御殿・りっぱな邸宅 貴人の住まいとなる大きな建物
  2. 2
    貴人・主君(を敬っていう語) 邸宅の主である身分の高い人をさす

📜 出典・例文

とのに参りて、御気色をうかがふ。

御殿(=主君のお邸/主君)に参上して、ご機嫌をうかがう。

──『例文』
とのはいまだ帰らせたまはず。

殿(=ご主人)はまだお帰りにならない。

──『例文』

⚠️ 識別・注意点

『御殿(建物)』と、そこに住む『貴人・主君(人物)』の両義。人物をさす場合は、その邸宅で呼ぶ婉曲・敬意の表現。文中で建物か人物かを見分けることが読解の鍵。女性の貴人には「うへ」「きたのかた」なども用いる。

🧠 覚え方・ゴロ

「“殿(との)”=御殿、そこに住む殿(=ご主人)」と、建物→主人で覚える。

🏛 語源・成り立ち

「との(殿)」は、りっぱな建物の意。転じて、その邸宅の主である貴人・主君を敬って指す語となった。

🔗 関連語・対義語

うへ御方・貴人(特に女性)を敬う語 きたのかた北の方・貴人の正妻

❓ よくある質問

Q. 「との」は建物?人物?

両方あります。もとは『御殿(建物)』の意ですが、そこに住む『貴人・主君(人物)』を敬って指す用法も多いです。文脈でどちらかを判断しましょう。

Q. なぜ建物名で人を呼ぶの?

身分の高い人を直接の名で呼ぶのを避け、住まい(御殿)で婉曲に敬って指したためです。『北の方』『上』なども同様の婉曲呼称です。

🧩 確認クイズ

Q1. 「とのはいまだ帰らせたまはず」の「との」は?
A 貴人・主君(人物)    B 門    C 馬    D 庭
Q2. 「との」が人物を指すのはなぜ?
A 住まい(御殿)で貴人を婉曲に敬うから    B 身分が低いことを示すから    C 本名だから    D 地名だから
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