英文法:完了不定詞
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完了不定詞(to have + 過去分詞)は、不定詞が表す「時」が本動詞よりも前(過去)であることを示す用法です。単純不定詞(to + 動詞の原形)が本動詞と同じ時を表すのに対し、完了不定詞は「一つ前の時」を表します。
1完了不定詞とは(to have + 過去分詞)
▼
完了不定詞は「本動詞より一つ前の時」を表す!形は「to have + 過去分詞」。本動詞が現在なら過去を、本動詞が過去なら大過去(もっと前)を指します。
(前の時)過去分詞の内容
→
to have + 過去分詞
→
本動詞(今)
→ He seems to have been sick.(彼は病気だったように見える。)
POINT
「seems(今そう見える)」よりも「病気だった」の方が前の出来事。この「時のズレ」を to have + 過去分詞 で表します。
「seems(今そう見える)」よりも「病気だった」の方が前の出来事。この「時のズレ」を to have + 過去分詞 で表します。
| 英語 | 日本語 |
|---|---|
| He seems " to have been " sick. | 彼は病気だったように見える。 |
| She is glad " to have finished " the work. | 彼女はその仕事を終えて嬉しく思っている。 |
| I'm sorry " to have kept " you waiting. | お待たせしてしまってすみません。 |
| He is proud " to have won " the prize. | 彼はその賞をとったことを誇りに思っている。 |
2単純不定詞との「時のズレ」
▼
to do は「同じ時」、to have done は「前の時」!単純不定詞は本動詞と同じ(またはこれからの)時、完了不定詞は本動詞より前の時を表します。
He seems to be rich.
(今 金持ちのようだ)
⇄
時をずらす
⇄
(今 金持ちのようだ)
He seems to have been rich.
(昔 金持ちだったようだ)
(昔 金持ちだったようだ)
POINT
本動詞が同じ「seems(現在)」でも、to be なら「今の状態」、to have been なら「過去の状態」。訳が「〜だ」→「〜だった」と変わります。
本動詞が同じ「seems(現在)」でも、to be なら「今の状態」、to have been なら「過去の状態」。訳が「〜だ」→「〜だった」と変わります。
| 英語 | 日本語 |
|---|---|
| He seems " to be " happy. | 彼は(今)幸せそうだ。 |
| He seems " to have been " happy. | 彼は(以前)幸せだったようだ。 |
| She appears " to know " the truth. | 彼女は(今)真実を知っているようだ。 |
| She appears " to have known " the truth. | 彼女は(前から)真実を知っていたようだ。 |
3seem / appear to have + 過去分詞(〜したようだ)
▼
that節との書き換えができる!「It seems that + 主語 + 過去(完了)」は「主語 + seem(s) + to have + 過去分詞」に言いかえられます。
It seems that he was ill.
=
He seems to have been ill.
どちらも「彼は病気だったようだ。」
POINT
that節の中の「時」が主節より前のときに完了不定詞を使います。主節が過去(seemed)でも同じ考え方で書き換えられます。
that節の中の「時」が主節より前のときに完了不定詞を使います。主節が過去(seemed)でも同じ考え方で書き換えられます。
| 英語 | 日本語 |
|---|---|
| It seems that he was ill. → He seems " to have been " ill. | 彼は病気だったようだ。 |
| It appears that she has left. → She appears " to have left ". | 彼女は出発してしまったようだ。 |
| It seemed that he had lied. → He seemed " to have lied ". | 彼はうそをついたようだった。 |
| He is said " to have been " a great scientist. | 彼は偉大な科学者だったと言われている。 |
4実現しなかった願望・予定(hoped / was to have + 過去分詞)
▼
「〜するつもりだったのに、しなかった」を表す!hope / expect / intend / mean の過去形や was/were to に完了不定詞を続けると、実現しなかった過去の願望・予定を表します。
I hoped to have seen her.
→
実現せず
→
会うつもりだったのに会えなかった
POINT
これはやや古い文語的な言い方です。現代英語では I had hoped to see her.(過去完了+単純不定詞)の形の方が一般的です。
これはやや古い文語的な言い方です。現代英語では I had hoped to see her.(過去完了+単純不定詞)の形の方が一般的です。
| 英語 | 日本語 |
|---|---|
| I hoped " to have seen " her. | 彼女に会うつもりだったのに(会えなかった)。 |
| He expected " to have finished " it by noon. | 彼は正午までに終えるつもりだったのに(終わらなかった)。 |
| She was " to have arrived " yesterday. | 彼女は昨日着くはずだったのに(着かなかった)。 |
| I meant " to have written " to you sooner. | もっと早く手紙を書くつもりだったのに(書けなかった)。 |
▶ 現代的な言いかえ(過去完了+単純不定詞)を見る
| 文語的(完了不定詞) | 現代的な言いかえ |
|---|---|
| I hoped " to have seen " her. | I " had hoped to see " her. |
| He expected " to have finished " it. | He " had expected to finish " it. |
5完了不定詞の受動態(to have been + 過去分詞)
▼
「前に〜された」は to have been + 過去分詞!完了不定詞(to have + 過去分詞)を受け身にすると、to have been + 過去分詞 の形になります。
to have scolded
(叱った)能動
→
受け身に
→
(叱った)能動
to have been scolded
(叱られた)受動
(叱られた)受動
POINT
否定にするときは not を to の前に置きます(例:not to have been + 過去分詞)。to have not の語順は誤りです。
否定にするときは not を to の前に置きます(例:not to have been + 過去分詞)。to have not の語順は誤りです。
| 英語 | 日本語 |
|---|---|
| He seems " to have been scolded ". | 彼は叱られたように見える。 |
| This letter appears " to have been written " in a hurry. | この手紙は急いで書かれたようだ。 |
| The window seems " to have been broken " last night. | その窓は昨夜割られたようだ。 |
| He seems " not to have been " invited. | 彼は招待されなかったようだ。 |
完了不定詞の よくある質問(FAQ)
完了不定詞(to have + 過去分詞)と単純不定詞(to + 動詞の原形)はどう見分けますか?
本動詞(述語動詞)との「時のズレ」で見分けます。単純不定詞は本動詞と同じ時か、それより後のことを表します。完了不定詞は本動詞よりも前(過去)のことを表します。例えば He seems to be sick. は「今 病気のようだ」、He seems to have been sick. は「(以前)病気だったようだ」です。
He seems to have been ill. と It seems that he was ill. は同じ意味ですか?
ほぼ同じ意味で、書き換えができます。that節の中の「時」が主節より前の場合、その内容を完了不定詞(to have + 過去分詞)にまとめられます。It seems that he was ill.(彼は病気だったようだ)= He seems to have been ill. となります。
I hoped to have seen her. のような形は今でも使いますか?
hope / expect / intend などの過去形+完了不定詞は「〜するつもりだったのに実現しなかった」という意味を表しますが、やや古い文語的な言い方です。現代英語では I had hoped to see her.(会いたかったのに会えなかった)のように、動詞を過去完了にして単純不定詞を続ける形の方が一般的です。
完了不定詞を否定するときは not をどこに置きますか?
not を to の直前に置きます。He seems not to have finished it.(彼はそれを終えなかったようだ)のように、not to have + 過去分詞 の語順になります。to have not のように have の前に置くのは誤りです。
to have been + 過去分詞(完了不定詞の受動態)はどんなときに使いますか?
「本動詞より前に、〜された」という受け身の内容を表すときに使います。This letter seems to have been written in a hurry.(この手紙は急いで書かれたようだ)のように、to have been + 過去分詞 の形になります。
参考資料:文部科学省平成29年度学習指導要領